300年前に和尚さんが河童にもらった瓶があるぞ!河津町「栖足寺」

300年前に和尚さんが河童にもらった瓶があるぞ!河津町「栖足寺」

河童(かっぱ)の話です。
この妖怪も全国各地の民話・伝承に出てきますよね。
TVやラジオ等のメディアがない時代にどうやって全国に広まったんだろう?
本当に昔は存在したんだろうか。
不思議でなりませんね。
そんな河童さん。
伊豆では河津町という場所で伝承されています。
今回は、そんな河童伝説で有名なかっぱの寺「栖足寺(せんそくじ)」に伝わる伝承を紹介したいと思います。

●河童の瓶
むかし、栖足寺の裏を流れる河津川の淵に、河童がすんでいました。
お寺の裏に位置するここは、大きく蛇行し深い淵をつくる裏門と呼ばれていました。
河童は水あびをしている子どもの足を引っぱるなど、いろいろないたずらをして村人をこまらせていました。
そのうち、河童が子どもの尻子玉をぬくとか、生き肝を食らうなどと大げさにつたえられ、村人たちは河童をこわがるようになり、あげくのはてにはにくむようになりました。
ある夏の夕方、村人たちは寺の普請の手伝いをしたあと、裏の川で馬や道具を洗っていました。そのとき一頭の馬が急にいななき、うしろあしを高くけり上げました。そばにいた村人がおどろいて見ると、馬のしっぽになにか黒いものがしがみついていました。よく見ると、それはうわさに聞いていた河童でした。
「河童だ、河童がいるぞ」
だれかがさけぶと、近くにいた村人たちが集まってきました。河童も捕まってしまったら大変と大慌てで逃げ出し、裏門を抜けお寺の井戸にとびこみました。すると、村人たちはてんでに河童に石を投げつけました。河童はバラバラと落ちてくる石にがまんができず、井戸の中からはい出してきました。村人たちは河童をとりかこみ、
「こやつはひどいやつだ。ころしてしまえ」
と、さけびながら、棒きれでたたき始めました。
ちょうどそこへ、栖足寺の和尚さんが帰ってきました。
和尚さんは村人たちがさわいでいるのを見て、何ごとかと近づいていきました。
そして、村人たちのあいだから中を見ると、河童が息もたえだえに倒れていました。それでもなお、村人たちは河童をたたいています。
和尚さんは大きな声で、
「皆の衆、やめられい」
と、さけびました。
「今日は寺の普請の日じゃ。殺生は禁物じゃ。寺の縁起にかかわる。この河童はわしがあずかろう」
といいました。
村人たちは、寺の縁起にかかわるのではしたかがないと、和尚さんの言葉にしたがって河童を和尚さんにあずけました。和尚さんは村人たちがいなくなると、
「これ河童、助けてやるからどこか遠くへ行きなさい」といって、河童をにがしてやりました。
その晩のこと、和尚さんは何者かが庫裏の戸をたたく音で目をさまし、縁側の雨戸をあけてみました。すると、月あかりの中に昼間の河童が立っていました。河童は、
「昼間は助けていただきありがとうございました。おかげさまで命びろいをしました。このつぼはお礼のしるしです」
といって、丸い大きなつぼを縁側におきました。
「このつぼに河津川のせせらぎを封じ込めました。口に耳をあてると、水の流れる音がします。水の音が聞こえたら、わたしがどこかで生きていると思ってください。和尚さまもどうぞお元気で」
といって、河童は立ち去りました。
和尚さんは、夢ごこちで聞いていましたが、われに返ると縁側に大きなつぼがあるので、たしかに河童が来たのだと思いました。
それからというもの、河津川に河童がすがたをあらわすことはなくなり、村人たちも、いつしか河童のことはわすれていきました。
けれども、和尚さんはときおりつぼの口に耳をあて、かすかな音を聞いて河童のぶじを思いました。また、河津川に出水があった際、このつぼがゴウゴウとうなりをあげ知らせ、人々が助かった事もあり。当時から寺の宝として大切に御奉りされてきました。
今でも耳をあてると、河津川のせせらぎが不思議と聞こえ、河童の無事を伺えます。人々は水の流れが心を洗うと言い、ありがたく拝聴していきます。
栖足寺裏手の清流には、馬のひづめのあとのついた石があったそうです。

河童さんの恩返しといった感じで、なんとも良いお話ですね。
ちなみに、この瓶は現在も栖足寺に大切に保管されており、耳を向けると川のせせらぎが聴こえたり聴こえなかったり…どっちなんだい!って感じですが、あるにはあるそうですね。

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バティストゥータバタ

東京都在住、伊東市出身の38歳独身。趣味は流木でいろいろ作ることで特技は悪ふざけ。仕事は音楽関連で音楽ライターなんかもやってます。地元伊豆の魅力を伝えるためブログ記事を書いてます。よろしくね。

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